クラギのバイトさん

って事で、クラギのバイトも残る所あと1回。

振り返ってみる。長い文。



私がクラシックギターを嗜み始めたのは中学前後。
独学でいわゆる名曲を耳で聞いてコピーし、それでも飽きたらず、外国の譜面を取り寄せたりして弾いていた。

適当に音楽を志した人なら分かると思うけど、自学自習はある程度まで行うと壁にぶち当たる。天才は例外として。
で、壁を打開すべく仙台の音楽院に通い始めて軽くカルチャーショックを受けたり、仙台で発表を兼ねたコンサートしたり。

音楽院は高校受験で退学しちゃいましたが、退学後もギターを捨てず、師事した先生の教えを元に曲を漁って弾きまくっていた。


ちょうど今の季節の3年前、つまり大学1年の終わり頃、地元のギター教室の先生が居ないとの事で、通っていた音楽院から推薦を受けて先生を始めたのがきっかけ。楽器店の音楽教室、カルチャーセンターのギター講座と2箇所を受け持つ事に。

初回時を含め暫くの間は、教壇に立って教える時に足がすくんでさっぱりレッスンにならなかった。

私の周りは老若男女問わず群れていて、明らかに俺よりも年上だったり、無垢な表情でじっとこちらを見つめるお子様。視線と見えないプレッシャーが辛過ぎる。

ある程度人に教えることには慣れていたものの、集団に対して教えることは習っていない。音楽院では個別レッスンだった故に。

困ったことに生徒それぞれのレベルが天と地ほどの差があるため、いわゆるグループレッスンの形式が取れない。
結論として、個別にアプローチを変えていくしか「良い意味で手を抜く」方法が無かった。

また、教えるモノがギターであるから、それこそ千や万の言葉を並べても理解できない時が殆ど。実際に手を動かして音を鳴らしたり、技術を見せなければならない。逆に教えすぎによって、変な癖をつけてきて生徒が次回レッスンに来てしまったり。

分かったことは、人に何か物事を教えるのはとても難しいって事。
ある程度予備知識を生徒が持っていれば導入が簡単に出来るんだけど、ご年配の方や中学生、高校生が超簡単な楽典で躓いてしまったり。

さすがに1年以上教えれば、ある程度定跡が定まるのでもたつきませんし、導入もスムーズです。慣れました。

ギターは本当にいろいろな人が弾いてます。生徒さんの年齢層も幅が広い。家族でレッスンに来る人や、はるばる遠方から受講しに来る人も。

そもそも私の住んでいる地域にギター教室が殆ど無いのだ。そりゃ遠方からも来るさ。色々出会いと別れがあって、面白かった。

幸運だったのは、趣味や座興で始めた事が役に立った事か。
好きな趣味で給料が貰えたり、人脈を広げることが出来たのであればこれ以上幸せなことは無いだろう。

先生をしていて一番嬉しかった時は、生徒さんが一番弾きたい曲が弾けた瞬間。レッスンして、弾けたときの生徒さんの嬉しそうな表情が忘れられない。

とにかく、不甲斐ない私を逆に支えてくれた周囲の生徒さんが居たからこそ、現在まで続けられたと思う。感謝!


参考までに。

バイト名:地方のクラシックギター教室の先生
仕事内容:初歩から上級までギターを生徒に教える
ペース:月4回1,3週土日。土->18:00~20:00,日->13:00~15:00
給料:月給制。約15000〜20000円。生徒数によって変動
受講年齢層:8〜81歳
期間:3年
受け持った生徒数:72人(サボり含める)

給料は時給に換算すると、937〜1250円。それなりに高給でした。